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小屋番日記

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想いを込めた夏の雨 

今年の夏は高温多湿でいろんな意味で目眩がした夏だった

夏なんてこんなものさ・・と言い聞かせても雨だけはいただけない
全国的にみて雨が必要な地域も確かにあると思うのだが
それ以上に各地で雨による被害が多発した夏だった

とは言え夏は山しか思いつかない我が身としては
毎年変わらず山に行く、少なからず幸せな身の上に違いない

今年の夏は昨年計画していた北鎌から西穂への縦走だが
残念ながら前途したように計画に終わってしまった
いずれまた来るとしよう

計画を縮小して大キレット縦走のみとしたが
道中の出会いや美しい景色にそんな事はどうでもよくなってしまった

大キレット越しに遠く富士が見える、贅沢な時間を得る事が出来た


いつもの様に装備の準備だ
今回は上高地にBCを設営し、ビバーク装備で北鎌から西穂へ抜け
一旦上高地に戻り翌日明神岳へAlpine climbingと洒落こむ
よって装備は2種類を準備した
ザックはBC用に80L、テンとはライペンゴアライト1.6Kg
ABC用には30Lとヘリテイジクロスドームf0.6Kg
BC用は30Kg、ABC用は8Kg程度と極端に軽量化を遂げた

スタートは平湯温泉アカンダナ駐車場
朝3:30~駐車場のゲートが解放されるため
今回は深夜着を避けて8:00着とし
駐車場で仮眠して11時に上高地入りした

河童橋は身動き取れないくらいの人で埋め尽くされていた
川原で泳ぐ者まで出現し、もはやサンクチュアリの面影が失せている

最終日に上がる明神岳が姿を現していた
しかし見えていたのは初日のみ以降はただひたすら雨の中だ


小梨平のキャンプ場も超満員であり
色取り取りのテントで品評会さながらである

我がBCテントを設営し、管理棟のお風呂に入り早々に就寝と相成った
夕刻からの土砂降りで、ある意味静かな夜を得る事が出来た

翌日BCを離れ天井沢に向け出発

徳澤園では小雨であった

横尾山荘では雨が昇降状態であった

右俣沢を渡り槍沢ロッジまでもうすぐだ

水俣乗越に至る頃には本降りになった

向かう天井沢は一面雨雲の下だ
横尾山荘で話をした長野県遭対協の方からの情報では
私の入山2日前に遭難があり未だ見つかっていないらしい
またこの雨で北鎌沢右俣は洪水状態に陥っているだろう
よって今回は無理な入山を控える事とし
東鎌尾根から槍ヶ岳を目指す事とした

実際に東鎌尾根は初見でありルート変更も悪くない

意外と変化があり歩いていて面白い
思えば表銀座の一部であるからそれも頷ける

登山道整備をされている方々に脱帽だ
この標高でこの稜線上に流石の仕事である
毎年春から初夏にはアイゼンで踏まれた木の階段である
よくぞ整備を続けているものだと感心しきりだ

要所要所をセメントで固定した鉄梯子
年間何千人のもの方の嗜好と命を繋いだ梯子だ
そう登山はただの趣味でしかない
その趣味の為に嗜好の為に整備を続ける
歩かせてもらえる事に感謝の限りだ

このルートで驚きの発見か?
ヒルを見つけたのだが、北アルプスでヒルの被害
とりわけ稜線上では聞いたことがない
しかしなんて色艶の良いヒルだ、何に寄生していたのだろう

ヒュッテ大槍では14時と言うのに薄暗く暴風雨に見舞われた

殺生ヒュッテのテント場は槍ヶ岳からあふれたのだろうか
こんな天候にも関わらず賑わいを見せている

17時頃には空が見え出した、明日は回復するのか
天気図では前線の真っただ中のはずだが

翌朝は何て事だ晴れてしまった
モンゲンロートが辺り一面に広がる朝を迎えた

日が上がると雲一つない快晴だ
こんな事なら北鎌も・・まあ諦めが肝心だ
今回使用したヘリテイジクロスドームf
極所登山用のツエルトテントだが雨にはめっぽう弱い
分かってはいたが今回は改めて体現することとなった

殺生ヒュッテを離れ再び東鎌尾根に上がり槍ヶ岳を目指す
遠く北穂越しに前穂北尾根が空を突き上げている

久しぶりの槍ヶ岳山頂だが、ガスにのまれて眺望皆無

早々に下山開始滞在時間10分くらいか

お約束の下山すると晴れるは健在だ
ある意味自分らしくて頷ける一面だ

槍ヶ岳肩のテント場はサイト数が決まっており
溢れた場合は素泊まりか殺生ヒュッテに降りる事になっている
到着時間が遅れる時は初めから殺生ヒュッテの方が無難だ

これから先はいつもの雨山行となり、どこを歩いてるのかさっぱりだ
道標が無ければ此処が北アルプスとは分かるまい

南岳は12時に通過したが視界不明瞭の土砂降りだ
我ながら雨男は伊達じゃないと感心しきりだ

南岳小屋にてラーメンを食す、身体に染み渡るひと時だ

雨は上がったが辺り一面ガスの中、さて明日は如何なものか

翌朝はきっちり晴れた、もう少しで日が登る
これだけ雨続きだと多少の曇りでもありだと思ったが
まさかの快晴だ、大キレット通過まで持ってほしいものだ

大天井から陽光が満ち溢れる、さあ一日の始まりだ


これから向かう北穂が眼前に現れた、岩と戯れる一日の始まりだ

南岳小屋を後に出発する

軽快な下降によりクラ部までもう少し、北穂が近づいてきた

長谷川ピークでは居心地の良さに長居をした

振り向けば南岳からの尾根が続いている
遠くから見ると断崖に見えるが
取り付きもルートも整備されていてしっかりしてる

A沢のコルへの最後の下降だ、切れ落ちた斜面が飛騨側に消えている

A沢のコル、一服するには程よい平地が広がっている

A沢のコルから振り向けば小ピークを越えて来たのがわかる
ここまでは歩きやすいルートだがこの先からが本番だ
空には雲がかかりだした

A沢のコルからはひたすら登る
ゆっくりと歩けば問題ないとよく言うが体力は必須である
とにかくガシガシ攀じるといた傾斜が待っている

最後は北穂山荘のテラスを見上げればもうすぐそこだ

北穂高小屋、3年ぶりくらいの小屋着である

前穂涸沢方面はガスの中だった

北穂南峰、もう一つの北穂高岳であるが
小屋が無いだけなのに人気は雲泥の差だ

北穂から涸沢岳間最低コル
稜線ルートに対して沢へ下るルートがあるが冬道だろうか

涸沢岳への梯子だ、登りきると突然見覚えのあるピークが現れる

当然涸沢岳に着くころには雨が降り出し


奥穂高山荘に着く頃には土砂降りだ
まだ13時まだと言うのにこの暗さ
雨男ここに極めり流石の一言だ

そして山荘内は快適だ

夕食もおいしい・・・
なんと雨のツエルトに耐え切れずに山荘泊にしてしまった
この奥穂高山荘の前は6回ほど通過したが
実際に宿泊したのは初めてだ、うわさには聞いていたが
北ア稜線上でこのもてなしはやはり快適な山荘だった

翌日はきっちり雨、しかも豪雨前日には滑落事故もあり
この状態で奥穂から前穂か西穂に行かれた方がいると聞いた
確かに山行ルートは個人の自由だが
一度事象が起これば個人では済まされない事態になる
捜索救助に関わる者も、同じように悪天候下に出向く事となり
個人の行動により多数の命が危険にさらされることになる
100%事象が起きない山行はないが減少させる事は出来る
その事を個人に委ねられている事を忘れてはいけない

涸沢ヒュッテ、この悪天候でも売店は開いていた
売店の女の子にこんな日に開けているとは大したものだと言うと
私負けません!と返事がきて驚いた


豪雨の展望テラスで見えない北穂にコーラで乾杯していると
先ほどの子が私に、あなたも負けてませんね!と言ってくれた
何だか知らないが、この山行の中で一番和んだ瞬間だった

涸沢ヒュッテから本谷橋までは登山道が川と化していた
深い所は踝よりも深い、慎重に歩を進めた

明日は晴れる予報で、明神岳とも若干考えたが
BCの装備が全て濡れており、今更気力も上がらず諦めた
河童橋まで戻ると観光客は皆無で貸し切り状態だった

平湯のアカンダナ駐車場に戻る頃にはもうぐったり
しばらくは雨の山行はしない、と誓うのだった



今年の夏はとにかく雨に見舞われた
日本全国雨によるイベントや祭事の中止など
雨による気象災害の知らせが絶え間なく耳に入ってきた

よく100年に一度とか言われていた気象災害だが
最近は10年に一度とか表現が変わってきた

いずれは毎年この様な気象災害が蔓延して
昨年同様の記録的災害などと言うことにならないかと
危惧してしまうの私だけだはないだろう

なぜこの様な事を云うのか
それは毎年繰り返される気象の変化による
山岳での遭難事故がある

予報はあくまで予報であり外れる事もある
山行前は天気図を元に自ら推測してみる事が大事だ
気象をを知れば山行がもっと楽しくなる・・
に違いない




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